G. 堆(たい、Bank)

比較的浅いが、海上の安全航行には十分な深さをもつ高まり。



G1. 安房(あわ)堆 (図IV-3)

房総半島勝浦南南東沖。34°55′N、140°24′E。水深280m。鴨川構造線の海側延長部である勝浦海底地溝が、勝浦沖大陸棚と安房堆を分ける。第三紀火山岩、シルト岩、砂岩(安房層群以下)が知られる。[海6603]



G2. 越前(えちぜん)堆列 (図VI-7)

若狭湾沖の大陸棚外縁部にある堆の列。安島岬沖の松出し(水深59m)、大グリ(水深73m)、ゲンタツ瀬(水深10.9m)などの高まりから、経ヶ岬沖の浦島礁(堆)(水深107m)にかけて北東―南西方向に並ぶ。上・中部中新統が知られる。[海6312]



G3. 襟裳(えりも)堆 (図III-1)

41°36′N、143°38′E。水深162m。襟裳岬沖に伸びる大陸棚は、南東部の外縁がさらに東に伸びて堆地形をつくる。[海6311]



G4. 沖ノ山(おきのやま)(堆) (図IV-1,図IV-2)

房総半島洲埼西方沖。34°59′N、139°35′E。水深54m。シルト岩、緑色凝灰岩、黒色頁岩、凝灰質頁岩が知られる。[海6640]



G5. 小樽(おたる)堆 (図VI-3)

44°09′N、140°54′E。水深124m。留萌西北西沖にある小さな堆で、北海道西岸の大陸棚とは天売舟状海盆で隔てられている。[海6656]



G6. 金洲ノ瀬(かねすのせ)(堆) (図IV-5)

34°19′N、138°18′E。水深50m。御前埼から南方に伸びる地塊の先端部にある。御前埼海脚との間には溝があり、地形面は連続しない。[海6639]



G7. 北福徳(きたふくとく)堆 (図VII-1)

漁業関係者からは福徳北ノ場とも呼ばれる。24°25′N、141°25′E。水深73m。南硫黄島の北方にあり、同じ地塊にある高まり。[海6726]



G8. 北見大和(きたみやまと)堆 (図III-1)

44°27′N、144°11′E。水深123m。10km×85km。頂部の一般的水深は130-150m。堆の東斜面麓は1,000m以深に達するが、西側は水深200mほどの溝で北海道-樺太大陸棚と隔てられているに過ぎない。[海6311]



G9. 北大和(きたやまと)堆 (図VI-1,図VI-6)

大和海嶺を構成する堆のひとつで、大和堆の北に位置する。堆頂部の顕著な平坦面として、400-550m、700-800m、850-1,000mがある。199-227Ma年代の花崗岩類、中生代末の溶結凝灰岩、後期中新世-後期鮮新世の堆積岩が採取されている。[海6311、G5.06]



G10. 越路(こしじ)礁(堆) (図VI-3,図VI-5)

38°43′N、138°15′E。水深270m。佐渡海嶺のなかの高まり。堆の南東側は断層崖であり、北西側に傾動する地塊である。中新世後期-鮮新世初期の珪藻泥岩が得られている。[海6660]



G11. 小島(こじま)堆 (図VI-3)

41°21′N、139°38′E。水深182m。津軽海峡西口の小島(海抜306m)の西方にある平坦な堆。小島と小島堆を結ぶ鞍部の北が奥尻海盆であり、南が西津軽海盆である。[海6658]



G12. 佐渡(さど)堆 (図VI-3,図VI-5)

37°35′N、138°23′E。水深105m。佐渡島南西部から南に伸びる尾根のなかの高まり。大陸棚に相当する平坦面が認められる。石英粗面岩、硬質頁岩、砂岩が得られている。[海6333]



G13. 新黒瀬(しんくろせ)(堆) (図IV-3,図VII-1)

33°34′N、140°08′E。水深148m。八丈島北東50kmにある。水深160-190mにかけて凹凸の少ない地形が広がる。中新世と推定される火山岩を石灰岩が覆っている。[海6603]



G14. 新礁(しんぐり)(堆) (図VI-3)

39°42′N、139°33′E。水深135m。男鹿半島沖にあり中新世後期-鮮新世前期の珪藻質泥岩、中新世後期の硬質頁岩などが分布する。[海6660]



G15. 石花海南(せのうみみなみ)堆 (図IV-5)

駿河湾口西岸寄り。34°39′N、138°29′E。水深69m。合ノ瀬ともいわれる。南堆の北には石花海北堆(水深46m)がある。[海6639]



G16. 拓洋(たくよう)堆 (図VI-1,図VI-6)

40°N、135°30′E。水深400-1,000m。大和海嶺の北東部を構成する堆で、北大和堆の東隣り。流紋岩、220、227Ma年代の花崗岩類、後期中新世の堆積岩が採取されている。[G5.06]



G17. 土佐碆(とさばえ)(堆) (図IV-4)

室戸岬沖。33°06′N、134°39′E。水深147m。南海舟状海盆を縁取る外縁隆起帯の一部。頂部は主に上部鮮新統-中部更新統のシルト岩からなる。堆は更新世になって隆起した。[海6634]



G18. 鳥海礁(とりみぐり)(堆) (図VI-3)

38°53′N、139°04′E。水深136m。最上舟状海盆からの孤立丘。基部の長径32km、短径16km。頂部は殆ど平坦化され、東斜面は断層崖で北西に傾く傾動地塊である。中新世後期-鮮新世の珪藻質泥岩、中新世中期のシルト岩が分布。[海6660]



G19. 西津軽(にしつがる)堆 (図VI-2)

41°09′N、140°02′E。水深68m。中新世後期-鮮新世初期の両輝石安山岩が分布。[海6658]



G20. 白山瀬(はくさんせ)(堆) (図VI-1,図VI-3,図VI-5)

大きくは西堆と東堆に分かれる。最浅部は西堆の38°30′N、137°08′E。水深239m。堆の北側は大和海盆である。中新世前期(23Ma)及び後期(8Ma)の安山岩、鮮新世後期(2-3Ma)の堆積岩が得られている。[海6312]



G21. 瓢箪礁(ひょうたんぐり)(堆) (図VI-3,図VI-5)

北北東-南南西方向に約50km、幅10数km。佐渡海嶺を構成する。最浅部は残丘のひとつで、38°37′N、138°20′E、水深87m。平坦面は南で西側、北では東側に傾動している。堆の中部は火成岩からなるが、北及び南は中新世後期の堆積岩が覆っている。[海6312]



G22. 北東赤尾(ほくとうせきび)堆 (図V-2)

26°25′N、125°14′E。水深201m。沖縄舟状海盆の北側斜面にあり、南側は断層に、北側は浸食により形成された地形。[海6315]



G23. 武蔵(むさし)堆 (図III-1,図VI-1,図VI-3)

44°47′N、140°19′E。北海道西岸大陸棚の沖合にあり、200m等深線で囲まれる浅所。堆の頂面は大陸棚面に相当する。天狗の鼻(水深137m)、天狗のあご(水深119m)、南武蔵堆(水深126m)などの総称である。最浅部は水深10m(北武蔵堆)である。白亜紀(78Ma)の石英安山岩質溶結凝灰岩が知られる。[海6311]



G24. 布良瀬(めらせ)(堆) (図IV-1,図IV-2)

房総半島野島埼西南西方の大陸棚の一部。34°51′N、139°43′E。水深62m。南北を富崎海底谷と布良海底谷に囲まれる。[海6640]



G25. 最上(もがみ)堆 (図VI-3)

39°13′N、138°53′E。水深136m。佐渡海嶺のなかの堆。東斜面は断層崖であり、西側に傾動している地塊。東側の断層崖から中新世後期と鮮新世の泥岩が得られている。[海6660]



G26. 紋別(もんべつ)堆 (図III-1)

45°19′N、143°47′E。水深178m。北海道から樺太にかけて広がる大陸棚の東外縁に付着する小突起地形。[海6311]



G27. 弥彦(やひこ)堆 (図VI-3)

39°06′N、138°32′E。水深157m。佐渡海嶺のなかの高まり。東斜面を断層崖とし、西側に傾動している。後期鮮新世の堆積岩が得られている。[海6660]



G28. 大和(やまと)堆 (図VI-1,図VI-6)

大和海嶺中最大の堆。39°N、134°08′E。水深236m。堆頂部の水深280m-450mに数段の平坦面が見られる。花崗岩、19、22、26Ma年代の安山岩・玄武岩と後期中新世・前期鮮新世の堆積岩が知られる。[海6312、G5.06]



G29. 湧別(ゆうべつ)堆 (図III-1)

44°53′N、144°14′E。水深134m。北海道オホーツク海側にあり、頂部が5kmほどの小さな堆。東側の北見大和堆とは浅い谷で分かれている。[海6311]



G30. 礼文(れぶん)堆 (図VI-3)

45°26′N、140°30′E。水深206m。40km×75km。礼文島をのせる大陸棚外縁部とは利尻舟状海盆を隔ててその西側にあり、相対的になだらかな高まり。[海6311]