I. 礁(しょう、Reef)

海面または海面近くにある岩で、航行の障害になり得るもの。



I1. 福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)(礁) (図VII-1)

南硫黄島の北東5kmの24°17′N、141°29′E。しばしば海底噴火があり、これまでに3回新島を形成しているがいずれも短い期間で海没している。(1)1904年12月に高さ145m、周囲約4.5kmの島になる。1905年6月には、高さ2.5-3mに減じる。その後海没。(2)1914年1月に高さ300m、周囲11.8kmの島になるも1916年6月には新島消滅。(3)1986年1月20日に僅かに海面上に出るも3月26日には海没、この時海面上への溶岩の噴出はなかった。(4)1988年12月と1991年6-7月の測量による頂部水深は14.6mである。[海6560―3]



I2. 明神(みょうじん)礁 (図VII-1)

青ヶ島南南東約65kmにあるベヨネーズ列岩(玄武岩)は、海底火山上の島で3個の烏帽子型の岩と数個の小礁からなり、比高1,400m内外の山。1952年の噴火地点は明神礁(31°54.5′N、140°00.1′E)と命名された。ベヨネーズ列岩や明神礁も外輪山のひとつで、内側には深さ400mほどの海穴(明神カルデラ)があり、中央火口丘(高根礁)もある。1952-53年に活動した明神礁の岩石は主に石英安山岩である。1869年以降、1870年、1896年、1946年にも海底噴火と新島の形成のあったことが記録されているが、とくに1952-53年の噴火活動期には、調査に赴いた水路部所属第5海洋丸が乗船者31名とともに遭難している。1953年9月を最後に、その後新島を形成するような噴火活動はない。1993年6月の測量による最浅所は22.5m。[海6422―8]